蓄膿(副鼻腔炎)はつらいよ。退院編。

あの忌まわい包帯も鼻の中から無くなった。

退院までは、定期的な診察のみ。あれ以来、B医師の顔はまったく見ないが、ガングロはいつも通り。(あだ名をつけるな)この海の無い土地で、いったいどこで焼いているのか、聞いてやろうと思ったが、武士の情け、やめておく。(使い方が間違っている)

鼻の痛みはまったく無いが、唇が痺れた感じがして、感覚が無い。(一瞬、B医師の仕業か?と疑いをかける)ん、唇?唇っていったいどこまでが唇なのだろう?鼻の下は唇なのか?Wikipediaによると「唇(くちびる、脣)とは、哺乳類の口の回りにある器官である。解剖学的には口唇(こうしん)という。」とある。まあ、上唇だな。(難しく考えるな)その上唇が痺れた感覚で、皮膚はもっこりしている。(顔の骨をカットして、手術したので、手術後にカットした骨で蓋をしてある)

鼻の痺れの原因は?

担当医に聞いてみると、手術の際、上唇を切開して広げるので、顔の神経を圧迫した為だという。「神経には触れていないので大丈夫です。」との事。(失敗じゃないのか?)鼻は痛くないが、ほとんど匂いを感じない。これも神経を圧迫した為なのだろう。(いったい治るのか?)しかし、匂いを感じないと食事がおいしくない。病院食も最後だと言うのに、何を食べてもおいしくない。こうなったら、マックでも何でも食べてやる。(治ってきたら、好き勝手)暇だ。

患者Cさんが入院してきた。

つまらない。新聞ばかり読んでいる。そんな時に、6人部屋のベッドに年配の患者Cさんが入院してくる。この方、どうやら蓄膿副鼻腔炎の手術みたいだ。同じ種の入院だ~。しかし、僕はもう人類へと輪廻転生しているのだ、君とは違う。(死んでいない)へへへ、少し脅かしてやろうか?(質が悪い)手術の経験があるみたいで、全身麻酔の怖さは伝わらない。(くそ、残念だ。ふんどしでも貸してやろうか)

こうなったら、手術の術式の恐怖を植え付けるしかない。そう思い、大げさなジャスチャーで、いかに大変な手術か?を力説する。(性格が悪い)しかし、まだ敵はひるまない。(敵じゃない)今度は、あの包帯引き抜きの儀式の痛さの説明だ。引き抜くのはB医師であると、嘘をつき、更に不安をあおる(罪になる気がする)ゆっくりと1m以上の包帯をズズズズズと引き抜いていく様を、尿道カテーテルを抜いた後の地獄の痛さを、まるでNHKの特別番組の様に臨場感豊かに説明する(受信料払っていないかもしれない)そして、手術後の無様な鼻たれ小僧状態の姿を伝えると、効果があったのか、(効果とは言わない)少し、しょんぼりしてきた。(まずい、やりすぎたかな?)

さすがに気が引けて、フォローしたが、やはり元気が出ていない様子だ。明日は退院。早く明日になって、逃げだしたくなってきた。そして退院の朝、患者Cさんをみると、やはり元気が無い。(罪悪感が身にしみる)頑張って下さい、と声をかけ、(精神病になったらどうするんだ)そそくさと退院して来た。(ごめんね、Cさん)退院後も上唇の痺れは1年以上も続いた。(個人差があると思う)

前に戻る        現状へ続く。

 

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