突然の正座にびっくりする。
ある日、朝起きて自分の部屋のドアを開けると、祖母が三つ指をついて正座していた。
尋常ではない、あまりの光景に
僕「どうかしたの?具合でも悪い?」
と聞いてみるが、返事を聞いて驚愕した。
僕「ん?どうした?」
祖母「お父さんが迎えに来ました。」
僕「お父さん?」「夢?」
祖母「お父さんが私を『お迎え』に来たので、挨拶に来ました。」
僕「・・・」
祖母「今まで世話をしてくれてありがとうございました。」
僕「・・・」
正直、この時はまったく気にしていませんでした。
夢でも見たのかな?位にしか思っていませんでしたが、翌朝、それは起こりました。
祖母がトイレで倒れており、冷たくなっていたのです。
急いで救急車を呼び、病院へ入院となりましたが、病名は「くも膜下出血」です。
実は祖母は翌日に介護施設に入る予定でしたが、本人は「行きたくない。嫌だ。」と拒否していたのですが、結果的に行かない事となりました。
きっと施設に行きたくないからお父さんの「お迎え」が来たのでしょうね。
僕は施設に入る事なく旅立った事が良かったと思っています。
人一倍、気を遣う祖母ですから、他人と一緒に生活するなんて無理なんです。
人は自分の死期が分かると言いますが、本当ですね。
彼女の冥福を祈りたいと思います。
画像は祖母の位牌がある、浅草寺五重塔内部にある仏像です。
この仏像についての詳しい説明はこちら。
僕は今でも祖母の「三つ指ついた姿」を忘れる事は出来ません。
まるで「武士の様に肝が据わった姿」は尊敬しています。
僕も来るべき日には祖母の様に覚悟し、きちんと家族に挨拶してお別れしたいと思います。
また、旅立った祖母に充分な事が出来ただろうか?と自己問答の日々です。
いつか祖母の様に「くも膜下出血」で倒れると思っていましたが、自分が倒れて今現在リハビリ中なのですから「生きている意味」を肝に銘じなければいけません。
今回倒れた時に家族には感謝の意味を込めて「お別れのLINE」を送りました。
僕は、いつまた倒れるか?判らない。
命が助かっても話す事が出来ないかもしれません。
「今のうちに気持ちは伝えておきたい」と思っていたのです。