テールランプに浮かんだ老人は
1年位前の事、ソリオの洗車をして、テールランプのバルブを交換したので、何気なくスマホで撮影すると、?何か映っている気がする。
?試しに画像を180°回転すると、人の顔らしき映像が?
男性の老人?の様な?後にこの人物かもしれない人に会うとはこの時は思いませんでした。
この写真撮影の半年後、僕は脳梗塞、くも膜下出血で倒れ入院する事となりますが、救急の病院から転院した〇〇園で隣のベッドのWさんによく似ています。
Wさんの顔を見た途端、「見た事ある‼」と思いました。
テールランプに映っていた老人です。
もしかしたら何か僕に気をつけろと事前にメッセージを送ってきてくれたのか?
Wさんは僕より一回り先輩の70歳。天涯孤独で生活保護を受けており、身寄りはありません。
入院して施設はこれから真冬を迎えるにあたり、11月でも朝方はかなり冷えました。
施設は気温に応じて自動でエアコンが付く事は無いので、看護士さんが暖房のスイッチを入れない限り、とても寒い。
常備された薄い掛け布団では寒くてたまりません。
そこで、家内に毛布を頼んだのですが、ふとWさんを見ると寒くて丸まっています。
僕はいたたまれなくなり、家内に「Wさんの分も毛布を買ってきて欲しい。」と頼むと快諾してくれたので、2人からのプレゼントという事で毛布をWさんに渡しました。
足が悪いと毛布を買えても持って帰れないですからね。
ちょっとだけの善意でしたが、大変喜んで頂きました。助け合うのはお互い様です。
彼は人一番努力家で時間さえあれば杖をついて歩いています。
脳梗塞で口から涎が垂れていて気の毒ですが
「妖怪涎じじい」と呼んでいました。(愛情をもって❤)
彼はいつもiphoneの万歩計を眺めては「あと少し歩かなければ」と夜中でも廊下をぐるぐる歩いていました。
その内に「妙な自信」がついたのか?自分が特別な存在に思えたのか?
「地球一周する」と言い出しました。
吹き出しそうになりながらも「スゴイですね~」と「妖怪涎じじい」をおだてます。
暫くすると、すぐに廊下を何周しなくてはいけないか?気がついたらしく、埼玉一周に変更です。
埼玉一周が何キロか判ると、一生懸命歩きだしますが、また我に返ります。
川越からここまで歩こう。
「な、歩こう!」誰に言っているのか?僕は歩きません。
聞いてみるとその内容がスゴイ。
まず、先導車が必要だと。次にサポートチーム。休憩場所の確保。食事の確保、マッサージ。
ん?どこかで見た光景だ?そうです。まるで24時間TVのマラソンです。
いったい誰がそんな事をしてくれるのか?想像できない様です。
彼はギャンブラーで生活保護のお金もつぎ込んでしまう人なので、後先考えず、「物事の結果を想像する事」が出来ません。
可哀そうだけど、現実をつきつけて考え直してもらいました。
元気かな?「妖怪涎じじい」Wさん、エロ爺だからな。ヘルパーのおばさんに変な事してなけりゃいいけどな。